裁判でよく使う専門用語
1. 登場人物に関する用語
| 用語 | 読み方 | 意味(やさしく言うと) |
|---|---|---|
| 原告 | げんこく | 民事裁判で「訴えた側」。裁判を起こした人 |
| 被告 | ひこく | 民事裁判で「訴えられた側」。※犯罪の「被告人」とは別物 |
| 被告人 | ひこくにん | 刑事裁判で「罪を犯した疑いで起訴された人」 |
| 検察官 | けんさつかん | 刑事裁判で、国を代表して被告人の処罰を求める人 |
| 弁護人 | べんごにん | 刑事裁判で被告人を守る弁護士 |
| 代理人 | だいりにん | 民事で当事者の代わりに手続きをする人(多くは弁護士) |
2. 手続きの流れに関する用語
- 訴状(そじょう): 原告が「何を求めるか」「理由は何か」を書いて裁判所に出す最初の書面。
- 起訴(きそ): 検察官が「この人を刑事裁判にかけます」と裁判所に申し立てること。
- 答弁書(とうべんしょ): 訴えられた側が「相手の言い分に対する反論」を書く書面。
- 準備書面(じゅんびしょめん): 主張や反論を整理して提出する書面。裁判中に何度もやり取りする。
- 口頭弁論(こうとうべんろん): 法廷で当事者が主張を述べる正式な期日。
- 弁論準備手続(べんろんじゅんびてつづき): 争点を整理するための、比較的ラフな打ち合わせ的手続き。
3. 証拠・事実認定に関する用語
- 立証責任(りっしょうせきにん)/挙証責任: 「ある事実を証明できなければ負ける」という責任。原則として主張する側が負う。
- 証拠(しょうこ): 主張を裏付ける材料。書類は「書証」、人の話は「人証」。
- 証人尋問(しょうにんじんもん): 証人に法廷で質問すること。
- 本人尋問(ほんにんじんもん): 当事者本人に質問すること。
- 反対尋問(はんたいじんもん): 相手側が呼んだ証人に、こちらが質問すること。
- 心証(しんしょう): 裁判官が証拠を見て「どちらが正しそうか」と心の中で抱く判断。
4. 結論・判断に関する用語
- 判決(はんけつ): 裁判所が下す最終的な結論。
- 認容(にんよう)/棄却(ききゃく): 原告の請求を「認める」のが認容、「退ける」のが棄却。
- 却下(きゃっか): そもそも中身を審理せず、入口で門前払いすること。
- 和解(わかい): 判決ではなく、当事者同士が話し合いで折り合いをつけて解決すること。
- 控訴(こうそ)/上告(じょうこく): 第一審に不服なら控訴、第二審に不服なら上告と、上級裁判所に再審査を求める手続き。
- 確定(かくてい): これ以上争えなくなり、判決の効力が固まること。
5. 刑事裁判でよく聞く用語
- 公訴事実(こうそじじつ): 検察官が「被告人がこれをやった」と主張する犯罪事実。
- 求刑(きゅうけい): 検察官が「これくらいの刑罰が相当」と意見を述べること(裁判所はこれに拘束されない)。
- 無罪推定(むざいすいてい): 有罪と証明されるまでは無罪として扱う原則。
- 執行猶予(しっこうゆうよ): 有罪でも、一定期間問題を起こさなければ刑の執行を免除する制度。
補足
- 民事の「被告」と刑事の「被告人」は別の概念です。
- 「立証責任」と「挙証責任」は厳密には区別されますが、日常会話では近い意味で使われることが多いです。
- 労働関係の裁判など分野別の用語は、別途ナレッジ化する想定です。
6. 第9〜14節(裁判の仕組み)で触れる用語
| 用語 | 読み方 | 意味(やさしく言うと) |
|---|---|---|
| 三審制 | さんしんせい | 第一審→控訴→上告と、最大3段階まで争える制度 |
| 審級 | しんきゅう | 第1審・第2審・第3審といった「段階」のこと |
| 裁判員 | さいばんいん | 裁判員裁判で、市民から選ばれて刑事判決に参加する人 |
| 行政訴訟 | ぎょうせいそしょう | 国・地方公共団体の処分などに不服があるときの裁判 |
| 取消訴訟 | とりけしそしょう | 行政処分の「取り消し」を求める行政訴訟 |
| 審査請求 | しんさせいきゅう | 行政庁の上級機関に、処分の見直しを求める手続(裁判の前段階になりうる) |
| 管轄 | かんかつ | 「どの裁判所がその事件を扱うか」の決まり |
| 消滅時効 | しょうめつじこう | 一定期間経過で権利そのものが消える制度 |
| 除斥期間 | じょせききかん | 一定期間を過ぎると裁判所に訴えられなくなる期限 |
| 訴訟費用 | そしょうひよう | 印紙・郵券など、裁判所に払う費用の総称 |
| 当事者主義 | とうじしゃしゅぎ | 民事で、主張・証拠提出は原則当事者が行うという考え方 |
| 職権探知 | しょっけんたんち | 裁判所が職権で事実を調べること(民事では限定的) |
| 仮差押 | かりさしおさえ | 本判決前に、相手の財産を一時的に差し押さえる手続 |
| 仮処分 | かりしょぶん | 本判決前に、争いの状況を一時的に定める手続 |